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Interview/稲川淳二

 

これからの季節にぴったりな日本の夏の風物詩ともいえる怪談。そんな日本の怪談を語る上で欠かせない稲川淳二が、今年で27年連続となる「MYSTERY NIGHT TOUR」を開催!9月に控えている香川公演への意気込みや怪談への想いについて語ってもらいました。

 

■今年の夏も「MYSTERY NIGHT TOUR」が開催されますが、四国での公演もお馴染みになりましたね。

稲川:やっぱり四国は来たいところです。四国まで来ないと全国でやっているって言えないですしね。四国の凄いところはさ、全国のみんなが4県すべてを知っているってことだよね。それぞれで文化があるし、私も好きですよ。磁場も良いですしね。

 

■“磁場”ですか?

稲川:四国は磁場も地盤も強いんですよ。そういうところが本当のパワースポットだと私は思いますね。最近は神社がパワースポットなんて言いますけど、神社はパワースポットじゃないんですよ。神社っていうのはカップルで行けば別れるところもあるし、敵・味方もある。だから全部行きゃいいってもんじゃないんですよね。みんな神社をパワースポット、パワースポットって言っていますけど、本当のパワースポットは四国です!

 

■“パワースポットは四国”!なんだか嬉しいです(笑)。稲川さんにとってのパワーの源といえば、やはり恒例の「MYSTERY NIGHT TOUR」ですよね?

稲川:そうですね。まさに私に命を与えてくれているというか。ファンの皆さん、プロデューサーたち、そしてメディアの皆さんが怪談を盛り上げてくれているんです。私1人でやっているように見えるけど、スタッフみんなが一生懸命にやっていて。そしてファンの皆さんも一生懸命聞いてくれる。それが励みになって頑張れますよね。普通、この歳になってそんなに盛り上がるものなんてないじゃないですか。本当にありがたいですよね。でも怪談って、人生の長い人が話した方が絶対面白いんですよ。話って見るものでもないし読むものでもなく、聞くものなんですよね。でね、怪談をやるととっても勉強になることが多い。歴史のことを調べようと思わなくても、何となく耳からスルスルっとモノが入ってくるっていうのかな。世の中ってさ、必要のないものを関係ないことにしちゃうじゃないですか。でも人から見たらくだらないものでまったく無意味に見えるかもしれないような、馬鹿馬鹿しいものだったり不思議なものだったり忘れていいようなものって、覚えておくと意外と面白いことに繋がったりするんだよね。それはまさに怪談ですよね。

 

 

■今年も香川に来ていただけるのが嬉しいです。

稲川:今年もとってもいい話があるんですよ。ツアーの中盤で仕上がってきた1番良い時期に来るので、香川が四国で1番良いお話ができるんじゃないかと思っていますよ。こんなこと言うと怒られちゃうかもしれないけど、スタッフはツアーの初日に私の話を初めて聞くんですよ。リハーサルをせずにぶっつけ本番で、お客さんと一緒に聞いてるんです。それで慌てて照明とか音を入れてくるんですよ。それが回を重ねていくうちにだんだんバランスが取れてきて。私は頭の中でストーリーではなくて絵を追って話しているので、話しながら「あれもあった、これもあった」ってどんどん浮かんできて、ちょうどツアーの中盤くらいに全体が形になってくるんです。でね、怪談って秋口がちょうど良いんです。だから香川は本当に良い時期にやりますね。夏の暑さが残っていて、話が終わるとちょうど涼しい夕暮れ時になって、「怖かったね〜」って言いながら帰るのが良いわけですよ。それとね、夏の盛りって夜遅くなっても花火なんかやって元気に遊べるんだけど、秋口は時間を持て余すんですよね。そんな時に怪談なんです。それが怪談のズルっこいところですね。

 

■ステージも毎年力を入れられていますが、稲川さんも意見を出されているのですか?

稲川:それが打ち合わせはまったくしないんです。「この話は良いんだけど、ステージはこんな感じに出来ているしな」って考えちゃうと、話のテーマもどんどん変わってしまって自分で決められなくなっちゃうんです。だからセットはプロデューサーに全部任せて、私は話の内容をギリギリまで考えて詰めていく。するとね、妙な具合にセットと話が合うんですよ。これは不思議ですよね。

 

 

■「怪談は70歳からが良い」と仰っていますが、稲川さんが今後やっていきたいことはありますか?

稲川:これからは戦争や天災みたいな大きな歴史の後ろにあるものや、地域的な話のような「歴史にならない歴史」を話していきたいですね。当事者が亡くなると話も消えちゃうんですよね。でも「実際こういうことがあったんだよ」っていう話を残してあげると、誰かが語ってくれる。いくらこれから30年生きられても、もうその先は生きられませんから、そうなるとこの人生の間に私が今受け持って話をさせてもらいたい。で、私の代が終わったらまた次の人に受け持ってもらって誰かが怪談をやれば良いわけですよね。そうやって話を残していきたい。ただ単に「あ〜怖いね」で終わるんじゃなくて、「そんな背景、そんな時代があったんだ」と思えるような話をしていきたいですね。今年の公演はそういうのが観れると思います。内容で言うと去年よりレベルは高いんですよね。今年の話は難しくて、失敗したら切ないけども、成功したら絶対的に面白いと思います。今年は歴史を残していこうと思った話、怖いんだけどミステリアスな話、なんかこう内臓をスーっとさすっていくようなね話もしていきたいですね。だから今年はまったく色合いの違う恐怖や笑いがあるんだけど、それをどうやっていくかが大きなテーマですよね。ただこれが上手くいけば去年の86倍くらい面白くなると思いますよ。

 

■86倍!(笑)それは楽しみですね。それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします!

稲川:今年の「MYSTERY NIGHT TOUR」は季節的にも良くて、私もちょうど良い具合に話ができる頃だし、今年は話自体がすごく良いんですよ。そういうことって往々にはないことだと思うんですよね。私もまだまだ練習中ですが、感動する話はもしかすると泣けてしまうかもしれないし、恐怖でもってちびってしまうかもしれない。ですからお越しになる方はハンカチは2枚、パンツは3枚くらいお持ちになってお越しください(笑)。お待ちしております!

 

 

ー Profile ―

怖い話を得意とするタレントとして茶の間を賑わせていた45才の年に怪談ライブを始め、その反響の大きさに感銘を受け、残りの人生を怪談家として没頭することを決意。全盛期の55才の時にすべてのレギュラー番組やドラマからも降板した。27年目に突入する今年の「MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談ナイト」は7月からスタートし、全国48公演で開催される。

 

ー 公演情報 ―

「MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談ナイト」

開催日時:9月13日(金) 18:30〜

会場:香川県教育会館 ミューズホール

お問い合わせ:DUKE

TEL:087-822-2520