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【命の大切さについて考える】毎年10月は 骨髄バンク推進月間です!

 

 

厚生労働省では、毎年10月を「骨髄バンク推進月間」「臓器移植普及推進月間」と定めています。骨髄移植や臓器移植といった移植医療は、皆さんの支援と理解があって初めて成り立つ医療です。正しい理解に基づき、皆さん1人ひとりが今できることについて一緒に考えましょう。

 

 

 

 

1991年12月に設立され、今年で30周年を迎える「日本骨髄バンク」。どんなに医療が進歩してもドナーがいなければ治せない患者さんがいます。骨髄移植やドナー登録について学び、できることを考えましょう!

 

骨髄移植の基礎知識

骨髄移植とは、ドナーに全身麻酔をして注射器で骨髄液を吸引し、採取した骨髄液を患者の静脈へ点滴で注入する治療法です。太い神経であるせき髄に針を刺すことはありません。

 

移植のキーポイントHLA型とは

赤血球にA・B・O・ABの血液型があるのと同様に、白血球にある型の名称です。HLA型の組み合わせは数万通りあり、型が一致しないと骨髄移植はできません。HLA型は、両親から半分ずつを遺伝的に受け継ぐため、兄弟姉妹間では4分の1の確率で一致します。しかし、親子ではまれにしか、非血縁者(他人)間では、数百から数万分の1の確率でしか一致しません。そのため、広く一般の方からドナーを募る必要があります。

 

日本骨髄バンクの現状


ドナー登録から骨髄提供までの流れ

STEP1:採血で登録(2mlの採血)

STEP2:ドナー候補になったことの通知

STEP3:血液確認検査

STEP4:最終同意

STEP5:採取前の健康診断

STEP6:自己血採血(採取後の貧血を軽減するため)

STEP7:入院(3泊4日程度)

STEP8:骨髄採取(全身麻酔)

STEP9:退院

※骨髄の提供には家族の同意が必要です。

 

 

Q1:ドナー登録ができるのはどんな人?

骨髄等の提供の内容を十分に理解している方、18歳以上54歳以下で健康な方、体重が男性45㎏以上・女性40㎏以上の方

 

Q2:ドナー登録するにあたって、費用はかかる?

骨髄等の提供のための検査費用、入院費といった費用などは一切かかりません。ただし、ドナー登録手続きの際の交通費は自己負担となります。

 

 


 

 

 

会社経営のかたわら、36歳で骨髄提供を経験した山田さん。10年以上経って新たな一歩をスタート。それは仕事を活かした発想から生まれました。

 

2007年 骨髄提供

販促イベント用のうちわやカレンダーをはじめとする紙製品の製造販売業を営む会社の社長を務める山田さん ドナー登録したのは26歳のとき。その3年前に父を亡くして家業を引き継いだ後のことでした。10年後の2007年、思いがけなく適合通知が届き、骨髄提供へ。当時を振り返って、「大げさなことではないし、拘束される時間はあるけれど、人生の中ではほんの一瞬のこと。生きている間に誰かの命にかかわることに協力できることはすごいことだし、いい経験をさせてもらったなと思います」と語ります。

 

2019年  チャリティーカレンダーで社会貢献

提供から10年以上経ち、「カレンダーの裏面を使って骨髄バンクの情報を掲載すれば、啓発に役立つかも」というアイディアがひらめきます。社内で相談した結果、社会貢献活動を行う団体を選んでカレンダーを制作し、売上の一部を寄付することに。これが自社のチャリティーカレンダーの始まりです。現在、日本骨髄バンクと日本盲導犬協会の2団体を手掛けています。

 

2019年  ドナー休暇制度で支援

カレンダーと時を同じくして、ドナー休暇制度のことを知り、「会社の就業規則をちょっと変えるだけなら
と、2019年に制度を導入。社会貢献活動が企業方針の一つに加わり、休暇制度も導入され、社員が参画しやすい環境が整ったことで、社内でドナー登録者が少しずつ増えていきました。

 

2021年  ドナー登録説明員でボランティア

山田さんにとって、骨髄提供という個人的な経験から、より多くの人の役に立つ方法がないだろうかと考えることは、ごく自然なことだったそうです。「ある人から、”いい人の基準は何か“ということを聞いて、正直、これまで仕事も含めて自分のことしか考えてこなかったなあと思いました。”何か1つくらいは一所懸命やってます“というのがほしいと。その1つが説明員なんですね。小さなことでもできることをコツコツと、それが人の役に立って、自分の成長にもつながっていければ嬉しいです」
会社では「よかったらどう?」と軽い感じで説明員の声がけ。山田さんを含めて社内で4名の方が2021年度からドナー登録説明員になりました。「肩肘はらずに自分のできることを」。それがいつしか自然に周りへ影響をもたらしている姿が伺えます。

 

社員の方はどう思っているのでしょうか?カレンダー制作に携わり、説明員の1人でもある渡辺亜紀さんにお話を伺いました。

「ちょうど子供が手を離れ会社が社会貢献を方針にしたこともあり、自分もやってみようかなと思えるようになりました。環境が整ったことは大きいですね。」

共に歩める仲間が着実に後に続いているようです。

 

※ドナー休暇制度とは
骨髄を提供するための休暇を特別休暇(有給)と認める制度のこと。香川県では、ドナー休暇制度の導入企業などを募集し、HPで公表しています。

 

※ドナー登録説明員とは
ドナー登録希望者に対して、登録に関する説明を行う人のこと。説明員による説明を受けなければドナー登録をすることができないので重要な役割を担っています。

出典:体験談特集「日本骨髄バンクNews vol.58」(公益財団法人 日本骨髄バンク)

 


 

 

 

幼くして再生不良性貧血で骨髄移植を経験した長元さん。病を通し、たくさんの人の善意が与えてくれた命への感謝を心に刻み、看護師の道へ。「次は誰かの力になりたい」と新たな人生を踏み出しています。

 

小6で骨髄移植

2004年の秋頃から突然、鼻血が長時間止まらない、あざが消えない、疲れやすいといった症状が出現しました。それまでは小学校のドッジボール部に入って、長距離走も得意な明るく元気な私でしたが、徐々に笑顔がなくなり、引きこもりと暗い気持ちに落ち込んでいったのを覚えています。
母が異常に気づいて病院へ連れて行き、血液検査をして帰宅する途中、病院から「今すぐ大学病院へ行ってください」と連絡がきて、その日のうちに緊急入院。「再生不良性貧血」という病気とわかりました。短期入院を繰り返して通院治療を継続していましたが、すぐに風邪を引いたり、何をしても疲れやすく、学校は休みがちでした。骨髄移植のため、両親と兄弟のHLA型を調べましたが誰も適合せず、骨髄バンクでドナーの方が現れるのを待つ日々が始まりました。先が見えない日々で、明日は自分がどうなってしまうのかという気持ちで毎日が不安でした。
しかし、幸いなことにドナーの方が見つかり、移植できることになりました。抗がん剤による前処置が始まり、激しい副作用症状の苦しみを超え、2006年6月に骨髄移植を行いました。
移植後は粘膜障害などの副作用に苦しみながらも、大きく日常生活が損なわれるようなこともなく、9月の終わりに退院しました。その後定期的に外来でフォローを行ってきましたが、現在まで再発もなく過ごすことができています。

 

看護師の道へ

家族や友人、学校生活から切り離され、先が見えない孤独な入院生活の中で、主治医の先生や担当の看護師さんが笑わせてくれたり、同室の友だちから多くの元気をもらいました。その当時は思ってもいませんでしたが、今はお世話になった病院で看護師として勤務しています。
当時、自分は不幸だと思い込んで、ふさぎ込んでいました。しかし病気を通して、たくさんの人の優しさと見知らぬ誰かの親切で命がつながっており、幸せに恵まれていたことに気づかされました。それは「次は誰かの力になりたい」という気持ちの芽生えとなり、私の人生を変えました。日本赤十字社の献血からの輸血計24回、そして骨髄バンクのドナーさんからの骨髄提供によって私は今生きています。名前も顔もわからない親切な皆さまに、この場を借りて感謝いたします。そしてどうかこれからも、その優しさで多くの人々の命をつないでいただきたいです。

出典:体験談特集「日本骨髄バンクNews vol.57」(公益財団法人 日本骨髄バンク)

 


 

 

県内でドナー登録ができる場所
高松市丸亀町献血ルーム「オリーブ」、献血バス、
高松市を除く最寄りの保健所
(小豆総合事務所、東讃保健福祉事務所、中讃保健福祉事務所、西讃保健福祉事務所)

 

 

骨髄移植について詳しくはこちらから

香川県健康福祉部医務国保課 TEL:087-832-3320