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ドクターからの健康アドバイス!からだの悩みを一緒に解決していきましょう2023!

からだのこと、治療のこと、さまざまな疑問・不安が出てくるもの。こちらのコーナーでは、知っておきたい身体のお悩みをQ&A形式で答えていただきました。

※こちらの掲載情報および医院様の掲載情報は月刊ナイスタウン2023年7月号時点のものになります。

 

ー 肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ) ー

 

【Profile】2009年香川医科大(現香川大学医学部)卒業。坂出市立病院、香川大学医学部附属病院などを経て、2023年3月から現職。

【資格】・医学博士 ・日本整形外科学会認定整形外科専門医・指導医 ・日本骨粗鬆症学会認定骨粗鬆症認定医 ・日本整形外科学会認定スポーツ医

 

Q.肩腱板断裂とはどのような疾患ですか? どんな症状が出ますか?

50歳を過ぎて気をつけておかないといけないのが肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)です。肩腱板断裂とは、上腕の骨と肩甲骨とをつなぐ筋肉の腱が切れたり、はがれたりしてしまう疾患です。「夜間痛」、「肩を動かしたときの痛み」、「肩に力が入りにくい」などの症状が現れます。四十肩・五十肩と症状が似ているので注意が必要です。リハビリで症状が改善することも多いですが、場合によっては手術を選択することがあります。当院では、肩関節の内視鏡を用いての肩腱板断裂手術を多く手掛けています。

 

治療のアドバイス

腱板断裂の痛みを和らげるための運動は、当院の理学療法士によるリハビリとセルフトレーニングの指導の両方で進めます。回復には半年程度かかることもあります。肩の痛みが2週間ほど続く場合は、できるだけ早く専門医を受診しましょう。

 

骨や関節、筋肉など運動器の問題でお悩みの子どもから高齢者までしっかりと対応することを目指しています。

 

社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部
香川県済生会病院
TEL:087-868-1551
住所:香川県高松市多肥上町1331番地1
HP:https://www.saiseikai-kagawa.jp/

 

ー 再生医療 ー

【Profile】1986年高知医科大学(現高知大学医学部)卒。岡山労災病院、香川県立中央病院、呉共済病院、近森病院などを経て、2022年4月から現職。

【資格】・岡山大学医学博士 ・日本整形外科学会専門医 ・同学会認定脊椎脊髄病医など。

 

Q.変形性膝関節症を改善する 有効な治療法はありますか?

中高年層に増えているのが変形性膝関節症です。加齢や使いすぎ、O脚などが原因となり膝関節の軟骨がすり減ることで、痛みや腫れが慢性化し骨の変形につながります。治療方法は、湿布、消炎鎮痛薬、ヒアルロン酸注射をはじめとする保存的治療がよく行われていますが根本的治療には至らないところが現実です。保存的治療法では痛みが改善せず、日常生活に支障がある場合には、骨切り手術や人工関節手術などがあります。しかし患者さんは、なるべく手術は避けたいというのが本音です。そこで今注目されているのが再生治療です。

 

当院では昨秋から、脂肪由来幹細胞を用いたASC、APSとPFC-FDという3種類の再生医療を、変形性膝関節症に対する治療として始めました。幹細胞で損傷した組織への修復の改善が見込まれ、手術には抵抗があるという患者さんからのニーズは高まっています。まだ新しい治療法なので、自由診療のため全額自己負担にはなりますが、変形が軽いほど効果が期待できます。

 

患者さんにとって最良の結果が得られる方法を選び改善へと導きます。

 

社会医療法人財団大樹会 総合病院 回生病院

TEL:0877-46-1011

住所:香川県坂出市室町三丁目5番28号
HP:https://www.kaisei.or.jp/

 

ー  体外衝撃波治療 ー

【Profile】2004年大阪医科大学(現大阪医科薬科大学医学部)卒業、 住友病院、関西労災病院、香川県済生会病院などを経て、2022年8月から現職。

【資格】・日本整形外科学会専門医 ・日本手外科学会専門医 ・日本骨粗鬆症学会認定医・医学博士など。

 

Q.体外衝撃波治療とはどのような 治療でしょうか?

体外衝撃波(ショックウェーブ)治療とは、衝撃波を皮膚の上から患部に照射する治療です。従来から腎臓結石を破砕する治療に利用されていますが、近年では整形外科分野においても応用され、足底腱膜炎、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、頑固な肩こり、慢性腰痛などの通常の治療で改善しにくい痛みの治療に使用されています。当院では、最新の集束型体外衝撃波治療装置を導入しています。体への侵襲が少なく、患部にピンポイントに照射することが可能なため、若年者のスポーツ障害から高齢者まで安全に痛みの治療を行うことができます。

 

治療のアドバイス

体は痛みを発して傷んでいる箇所を教えてくれています。まずは、どこが傷んでいるのかを正確に診断することが必要です。その上で、早く治したい痛み、通常の痛み止めや湿布で改善しない場合は、切らずに治す体外衝撃波をご検討ください。

 

治療をご希望される方は、まずは整形外科を受診ください。医師の診察の上、適応を判断いたします。

 

医療法人 西山記念会 MIRAI病院

TEL:0877-48-3366

住所:香川県坂出市加茂町633-1
HP:https://www.mirai-hospital.com/

 

ー  膝の痛みと治療 ー

【Profile】1990年関西医科大学医学部卒業。徳島大学病院、三豊総合病院、北海道大学病院などを経て、2011年から現職。チームドクターは04年から6年間、北海道日本ハムファイターズで務め、14年からはカマタマーレ讃岐。19年から香川ファイブアローズ。

【資格】・日本整形外科学会専門医 ・日本スポーツ協会公認スポーツドクター ・医学博士など

 

Q.日常的に膝の痛みがあるとき、どのような疾患が考えられますか?

外傷や老化に伴う疾患など膝の痛みをきたす原因は多岐にわたります。例えば、30歳以上でしたら半月板損傷、軟骨損傷、40歳以上でしたら変形性膝関節症、スポーツによる急性外傷であれば、半月板損傷や靱帯損傷、慢性ではたな障害やジャンパー膝などが考えられます。

 

Q.膝の痛みを放置するとどのような影響が出るのでしょうか。

早期診察、早期治療を行わなければ、回復に至るまでの期間は長くなり、場合によっては後遺症を残すことにつながりかねません。したがって、早い段階で診断をし、どういう治療が必要か医師と相談しながら進めていくことを推奨します。

 

Q.MRI検査を受けるメリットを教えてください。

整形外科領域でいえば、軟骨、筋肉、靭帯、これらはエックス線に映らない組織の診断が可能です。自ずと診断が詳細につながり、治療期間の予測と治療の方向性がより適切になります。

 

Q.手術治療を選択すべきケースや、受けるべきタイミングとは?

保存療法で治らない場合は、薬の治療、注射の治療、運動療法、理学療法などのリハビリを行います。それらの保存療法で改善がない場合は、手術治療を選択することになります。靭帯や半月板が断裂している場合は、保存療法では難しいので、手術をお薦めします。

 

Q.変形性膝関節症になるリスクが高いのはどのような人でしょうか。

膝の痛みの原因として一番多いのが変形性膝関節症です。変形性膝関節症とは、軟骨がすり減り膝の痛みが慢性化する病気です。年齢に関わらず発症するリスクが高いのは肥満です。中高年の過度のスポーツや登山などの運動、O脚などが原因と考えられています。

 

Q.前十字靱帯の治療方法を教えてください。

靭帯とは、骨と骨をつなぐバンドのようなもの。その前十字靱帯が損傷(=断裂)した場合、そのままにしておくと、軟骨の破壊、半月板断裂が徐々に進行していきます。数年経つと修復できない部位もでてくるため、早期に手術(3ヶ月以内が望ましい)を行うことが大事です。治療法は、自分の体の一部の腱を取る自家腱による、解剖学的な位置に腱を移植する(元の位置に設置する)方法です。

 

Q.前十字靭帯の再建の手術をうけないと、デメリットはありますか?

靭帯損傷のまま長く放置した場合、経年的に半月板損傷が起こり、軟骨の摩耗が進みます。手術をした場合、骨と腱の癒合に3ヶ月かかること、半腱様筋腱採取により膝を曲げる力(膝屈曲力)が一時的に低下することなどがあげられます。術後のスポーツ復帰までに6ヶ月以上を要します。

 

手術後のリハビリテーションを当院で受けることもできます。

 

医療法人弘仁会 三条整形外科スポーツクリニック

TEL:087-867-2270

住所:香川県高松市三条町482-1
HP:https://www.sanjo-hp.net/

 

ー  骨粗しょう症 ー

【Profile】2006年順天堂大学医学部卒業。同大学医学部附属浦安病院、同大学医学部附属練馬病院などを経て17年5月から現職。

【資格】・日本整形外科学会専門医 ・日本抗加齢医学会専門医、医学博士など。栄養療法外来やメディカルピラティスを取り入れたリハビリテーションを実施。

 

Q.骨粗しょう症の治療はどのようなものがあるのですか?

骨粗しょう症とは、骨密度が下がり、骨折しやすくなる病気です。特に女性は閉経後、ホルモンの分泌量が低下し骨の量が急激に減少するため、女性の有病率が上がっています。主な治療法は、①骨密度検査②血液検査③腰のレントゲンによる判断が推奨されています。罹患するリスクが高い理由として、家族歴のほか、性別を問わずステロイドを長期投与した歴がある方、糖尿病なども要因として考えられています。

 

先生からのアドバイス

骨粗しょう症を予防するためには、骨を健康にする栄養を摂取しながら、バランスの良い食事を心がけることはもとより、日頃から日常生活の中で、体を正しく使うための体幹を鍛えることが大切です。当院では、メディカルピラティスの考えをリハビリやアンチエイジングに活用しています。体を正しく使うためには、体幹筋を鍛え、呼吸を整えることが重要。まずは患者さん自身が、自分の体のことを理解したうえで、体格や筋肉の状態に応じたトレーニングを行えるようサポートしています。

 

スポーツによる運動器障害などのリハビリは、遊びを取り入れながら楽しく訓練を行うアスレチック・リハも実施しています。

 

さとこ整形外科 三浦内科 みちこ小児科クリニック

TEL:0877-22-7311

住所:香川県丸亀市土器町東7丁目886
HP:https://miuraclinic-marugame.jp/

 

ー  難治性の腱障害 ー

【Profile】2001年岡山大学医学部卒業。京都府立医科大学整形外科、明治国際医療大学附属病院、江戸川病院などを経た後、シンガポールのNovena Medical Centre NPC, Singaporeでアジア最先端の医療を学ぶ。2022年4月とだに整形外科開院。

【資格】・日本整形外科学会整形外科専門医 ・日本手外科学会手外科専門医 ・日本体育協会公認スポーツドクターなど。2021年から京都府立医科大学特任講師。

 

Q.腱はどうして治りにくいのでしょうか?

骨と筋肉をつなぐ腱は、コラーゲン線維でできており、強固に骨に付着しています。年を取るにつれて腱の性状がもろくなり、軽微な力でもちぎれたり、剥がれたりして損傷するようになることで、「テニス肘」、「アキレス腱炎」、「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」などが発症します。日常生活やスポーツなどで、繰り返し損傷するため、腱が修復できずに難治性の病気に移行するケースがあります。当院ではMRIに加えて、高精細エコーと再生医療を組み合わせた最先端の方法を取り入れ、腱の再生に取り組んでいます。注射や手術治療の際も、高解像度のエコーを使い、針や手術機器などを描出することで、より安全で侵襲も痛みも少ない治療を可能にしています。

 

治療のアドバイス

腱の損傷が進行すると治りにくくなります。少しでも痛みがあれば早めにご相談ください。一部の治療は保険適用外になりますが、早期治療が大切です。

 

スポーツ整形やリハビリにも力を入れています。

 

丸亀整形外科 とだにクリニック

TEL:0877-23-2300

住所:香川県丸亀市土器町東3-612-1
HP:https://www.marugameseikei.com/

 

 


 

 

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