Profile
株式会社BUDDICA 代表取締役 中野 優作 (Yusaku Nakano)
香川県出身。建設会社を経て26歳で中古自動車販売大手に入社。入社9カ月で販売台数日本一に、1年半で店長に就任。その後営業本部長、取締役など、すべて当時最年少で歴任。業界の課題を解決するべく2017年に独立し、中古車販売事業『BUDDICA』を設立。18年に法人改組し代表取締役に就任。8年目を迎えた現在全国8店舗を展開し、2024年2月には車の通販会社『BUDDICA・DIRECT』をローンチ。急速な事業拡大や実績で業界からの注目を集めている。
車は信頼で売れる!!中古車業界の常識を塗り替える新たなる挑戦がスタート
NT/2024年2月に開始した車の通販バディカ・ダイレクトが、すでに累計500台突破とうかがいました。日本中の注目を集める中で、大きな成功を収めていますがその理由について教えてください。
中野/ありがとうございます。成功の定義にもよりますが、実店舗と比較して簡単にご説明させてください。高松にあるバディカ本社には月間200台ほどの在庫があり、月に150台ほどが動きます。バディカ・ダイレクトは店舗を持っていませんが、2024年7月は1ヶ月で売買合わせて180台のご成約をいただきました。これは2000坪ほどある大手販売店よりも多い売れ行きです。当初は年内に月50台を目標にしていたので、想像よりもはるかに良い反響をいただいています。
要因としては、とにかくお客様を見ていることだと思っています。お客様が中古車業界に対して、一番求めているのは「信頼」だと気づいたんです。誰かがやらないといけないので、僕がリスクを取ることにしました。
NT/通常の中古車屋ではなかなか難しいチャレンジだと感じます。そもそもIT企業となっていますが、仲間集めや組織作りはどうやっているのですか。
中野/僕が「リスクを取る」と声を上げたところ、ありがたいことに力を発揮できる仲間が自然と集まってくれたんです。バディカのメンバー、ダイレクトのメンバーともに、車を売れるかどうかや能力が高いかどうかが基準ではありません。メンバーの価値観と会社の価値観が合った上で仕事ができていると思っています。バディカもまったく同じ。こういったことの積み重ねが、やりがいランキング20万社中1位に繋がったのかもしれませんね。
また「信用」と「購入後のアフターサポート」を確立するためにも2名の経営陣に参画してもらい、強力な布陣で戦っています。まずは株式会社Seibii取締役の佐川悠氏。すでにITを使った独自のインフラを持っていて、全国に700人の整備士が在籍する同社とタッグを組むことで、スマホで呼べば自宅に整備士が駆け付け困り事を解決してくれるフォロー体制を実現しました。そして起業家やインフルエンサーとしても知られる田端信太郎氏。これまでもバディカのサポートをお願いしていたのですが、今回はその影響力に加えて彼のガバナンス、監視力に期待。中古車業界とお客様の乖離が広がる今、改めて“プロの素人”として、そして“口うるさい親父”としてしっかり見張っていてもらうつもりです。
2024年5月からは僕が大好きで尊敬しているクリエイター・石川涼さんにもCCO(最高クリエイティブ責任者)として入社してもらいました。「#FR2」という世界的なファッションブランドを手掛けている方です。若者の車離れは深刻で、とくに若いころは新車を買うのもなかなか難しいと思います。堀江さんやひろゆきさんのように「車は持たないほうが良い」勢力も強いですが(笑)、僕らは「車を持つことの魅力」を伝えなきゃいけないし、中古車業界を盛り上げ、ほかの業界からもイケてる人が参入してくるようにしたいと思っています。業界が元気になり優秀な人材が増えれば、多くのお客様に僕が得たような豊かな思い出を得てもらえるはずです。
中古車業界を根底から改革し誰しも手をつけていないフィールドで1兆円企業を目指す
NT/バディカ・ダイレクトの強みはどこですか。
中野/主軸としては3つです。①「実名・顔出しで信頼を担保」。営業メンバーは全員「実名・顔出し」で発信をしているから「この人!」と思えるスタッフを選んでいただけることです。例えばスタッフの一人、由佐朋也のXアカウントを確認してもらえば分かるんですが、社名と実名をセットで公表している販売員は業界全体を見てもかなり少ないかと。これは後ろめたい仕事は一切しないという覚悟の証です。
②「完全な透明性」。社員だけでなく全車両に鑑定書を付けることで販売する車にも透明性を担保しています。キズはもちろん、過去の修理歴といった書かなければ分からないことも正直に開示しています。いうなれば中古車業者が見るような資料ですね。車両を担当した鑑定士の顔と名前も同時公開し、より高い安心感をお届けしています。
③「動画で楽しい車選び」。目指したのは配信サービスのような気軽さで、自宅に居ながら車が選べる環境です。従来のネット検索のように条件を絞って探すだけではなく、例えば動画配信サービスでなんとなくオススメ一覧に出てきたタイトルをクリックしたら、思わぬ名作と出会えた!みたいな。実は僕もその流れで「推しの子」を観てハマっちゃったんですけどね(笑)。それと同じように、車選びでも“想定外の出会い”を楽しんでいただけたら!
NT/SNSにも力を入れているそうですね。
中野/はい。YouTubeチャンネルの登録者数は33万人を突破していて、再生回数から換算するとインプレッションはおそらく1億2000万回くらいになります。今まで1枚1円でチラシをまいていて、その広告費はお客様の車の代金に跳ね返っていましたが、その分価格も抑えられるようになりました。もちろん、お客様からのYouTubeコメントもすべて見ています。またSNS上に届いた声をもとに、例えばお客様の面倒な書類を郵送ではなく電子化する動きをしていたりもしますし、バディカの店舗に来られない海外や遠方に住んでいるお客様にもご購入いただいています。
NT/最後に、それでも香川に本社を置き続ける理由はなんですか。また今後の展望をお聞かせください。
中野/6年前、高松のプレハブで掲げた「流通革命」が今では100名近い多くの仲間の夢になっていますし、僕にとって香川は、やはり育ててくれた町です。高松を盛り上げたいという思いもあるので、本社を移転する気はありません。バディカ・ダイレクトのロゴは「鳥」がモチーフなんですよ。なぜ「鳥」かというと、僕が18歳で初めて車を手に入れた時の体験がまさに鳥になったような感覚だったからです。納車したその足で実家に戻って母親を乗せたこと。地元の友だちと当てもなく大阪まで車を走らせたこと。そのままノリで夜中に奈良や京都まで行ったのはいいけれど、途中で疲れて喧嘩して…。もう目的地なんかどうでもよくなりインターに車を停めて空を見上げたらすっごくキレイで。あのときの匂い、音、友だちの笑い声…、すべて車がなければ味わえませんでした。今でも忘れることのできない大切な宝物です。
僕は車が好きです。そして車って本当に楽しいものなんです。バディカ・ダイレクトで業界の信頼を取り戻し、もう一度車の楽しさをたくさんの人に伝えていきたい。単に車を売るのではなく、お客様が車を手に入れたことで生まれる思い出とかもっともっと車を愛してほしいんです。
イメージ的にはZOZOタウンの車バージョンを計画していて、自社の車を通販で売りつつ他社の車も一緒に販売できる環境を確立するつもりです。これが第一弾の打ち手で2027年前後を目処に実現させ、将来的には1兆円企業を目指しています。信頼を土台にした車選びを追求し続け新しい市場を開拓することに今、この上ないやりがいと野心を感じています。
NT/本日はありがとうございました。
株式会社BUDDICA(バディカ)
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