無症状の段階で大腸がんを早期に発見するために
大腸がん検診は、40歳以上が対象で、1年に1回受けることを推奨しています。「あのとき検査しておけば」と後悔しないために!自覚症状のない段階で定期的に検査を受けることが、早期発見のためには最も大切です。
取材協力/社会福祉法人 済生会支部 香川県済生会病院 副院長 尾立 磨琴 先生
Q & A
Q.大腸がんってどんな病気?
大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。早期の段階では自覚症状がないことが多く、便に血が混じったり、便の表面に血液や粘液が付着したり(血便が出る)、便秘や下痢、腹痛など気になる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
Q.どんな人がかかりやすいの?
◎肉類など動物性脂肪の多い食生活
◎野菜や果物をあまり食べない
◎お酒をたくさん飲む
◎肥満/運動不足
◎家族に大腸がんにかかった人がいる
◎大腸にポリープと呼ばれる良性の 腫瘍(しゅよう)がある
Q.大腸がん検診の方法
便を検査用スティックで採取します。1回だけの検査では病気を見逃す可能性があるため、便は2日に分けて2回採取します。事前に検診実施機関から渡される採便キットに付属している説明書どおりに便を採りますので、簡単です。
Q.検診で「便潜血陽性」といわれたら
便潜血検査が陽性となった場合でも、まだ「大腸がんの可能性がある」という段階で大腸がんの診断が確定したわけではありません。早期発見・早期治療が非常に重要になりますので便潜血検査で陽性だった場合には、必ず精密検査を受けてください。※陰性であったとしても「きちんと大腸がんを調べたい」ということでしたら、大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
Q.大腸がんの精密検査にはどんな方法がありますか?
❶ 全大腸内視鏡検査
❷ 大腸のX線検査(大腸内視鏡検査との併用法)
❸ 大腸CT検査
❹ 腹部超音波検査
具体的な検査の流れは病院・クリニックごとに異なりますので、検査を受ける際は、医療機関にお問い合わせください。