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ドクターからの健康アドバイス!からだの悩みを一緒に解決していきましょう2023!【テーマ:スポーツ整形外科・スポーツ障害】

からだのこと、治療のこと、さまざまな疑問・不安が出てくるもの。こちらのコーナーでは、知っておきたい身体のお悩みをQ&A形式で答えていただきました。

※こちらの掲載情報および医院様の掲載情報は2023年8月号時点のものになります。

 

【Profile】

高松南整形外科スポーツクリニック
院長 中溝 寛之 先生

 

【経歴】
1996年 香川医科大学(現香川大学)医学部卒業
1996年 香川大学整形外科入局
1999年 竜操整形外科病院
2002年 信原病院・バイオメカニクス研究所
2007年 香川県済生会病院整形外科部長
2019年 高松南整形外科スポーツクリニック開設

 

【所属団体】
日本整形外科学会
日本肩関節学会
JOSKAS (日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)
日本整形外科スポーツ医学会など

 

【資格】

医学博士(2008年)
日本整形外科学会認定専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

 

Q.野球肩の原因や治療法について教えてください。

野球肩とは、「投球障害肩」と呼ばれる肩関節障害の一つで、繰り返しボールを投げることによって肩への負荷が積み重なることが原因で生じる肩の痛みです。人間の体を精密機械に例えるなら、使い込むほど傷み故障につながります。その主な原因としては投球動作の不良から疲労が溜まったり、肉体的要因、連投せざるを得ない環境に置かれているなどが考えられます。

 

治療の進め方としては、保存治療が9割です。①肩だけでなく、全身のバランスを考えながら動きを良くする練習、②弱っている部分の力を取り戻す練習、③動かし方を改善することです。これらを柱に治療を進めながら、疲労による筋力低下を改善させ、体を使うための保存治療を行います。それでも痛くて投げられなという場合は、内視鏡による肩関節鏡手術という方法もあります。当院では手術を行っていないため、関連病院と連携を取りながら最善の医療が提供できるよう努めてまいります。

 

野球肘検診

野球肘検診(保険外診療)は、超音波(エコー)を当てながら関節を動かし、骨や軟骨に異常がないか確かめます。

日時:平日 14:30~18:00

土曜 13:00~15:00

料金:2,750円

 

肩関節を中心とした関節外科やスポーツ整形外科の知識と経験を生かし、運動器リハビリテーションを中心とした予防と治療に取り組んでいます。

 

高松南整形外科スポーツクリニック

住所:香川県高松市三名町65

TEL:087-889-4970

FAX:087-889-4974

HP:https://tkm-osc.com/

YouTubeはこちら>>

 

【診療時間】

午前9:00〜12:00、午後 14:30〜18:30

※水曜午後:予約・リハビリのみ

※土曜午後:13:00〜15:00

 

【休診日】

木曜・日曜・祝日・ 年末年始

・予約優先ですが、予約外は随時受け付けます。(平日予約外の方の受付最終時間は18:00)

 

 

【Profile】

社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 香川県済生会病院 整形外科医長 福岡 達郎(ふくおか たつお)先生

 

【経歴】

2012年島根大学医学部卒。県内の高次医療機関を経て2023年4月から現職。

 

【資格】

・日本整形外科学会認定整形外科専門医

・日本整形外科学会認定スポーツ医

・日本スポーツ協会公認スポーツドクター

・麻酔科標榜医

・IOC Diploma in Sports Medicine修了

・カマタマーレ讃岐チームドクター

・香川県サッカー協会医学委員

 

Q.スポーツ傷害とは何でしょうか?

スポーツ外傷とスポーツ障害に分かれており、スポーツによるけがのことです。なかでもスポーツ障害は、スポーツを繰り返すことで明らかな外傷がなく生じるけがのことで、オーバーユース症候群(いわゆる使い過ぎ症候群)と言われています。オーバーユースは体の特定の部位に対して、通常はリカバリーをできる範囲を超えるストレスが継続的に加わることで発生します。代表的な疾患は、疲労骨折、オスグッド・シュラッター病、グロインペイン症候群、野球肘、野球肩、アキレス腱炎、シーバー病など、骨端部に繰り返しの外力が加わることで生じる骨端線(成長線)の傷害です。その多くは、成長痛として放置されることが多いため、難治性に移行したり、再発を繰り返します。

 

ドクターから健康アドバイス

スポーツによる疾患を防ぐためにも、早期に病院を受診し、診断・治療を開始することをお勧めします。障害が発生した場合は、筋柔軟性の低下やフォーム不良、練習時間の過多などの原因が隠れている場合があります。その原因を評価し改善を行うことで、障害の再発予防、しいてはスポーツにおけるパフォーマンス向上につながります。

 

膝、肩、足関節などの外科治療やスポーツ外傷・障害の治療、骨代謝疾患の治療を専門としています。各種検査やリハビリテーションも充実しており、診断から治療、再発の予防に至るまで幅広く対応しています。

 

地域の医療機関の先生方と共に医療・保健・福祉の向上を目指し積極的に連携を図っています。

 

社会福祉法人恩賜財団   済生会支部 香川県済生会病院

住所:香川県高松市多肥上町1331-1

TEL:087-868-1551

FAX:087-868-9733

駐車場:200台(無料平面駐車場)

HP:https://www.saiseikai-kagawa.jp/

 

【受付時間】

月~金曜日8:30~11:30、13:30~16:00

※整形外科受付時間/8:30~11:00

 

【休診】

土曜日、日曜日、祝日、年末年始

 

【Profile】

医療法人社団 藤井外科胃腸科・整形外科

院長 谷野 善彦 先生

1995年 慶應義塾大学医学部卒業 以後、慶應義塾大学病院、国家公務員共済組合連合会 立川病院、JCHOりつりん病院勤務を経て、2016年 当院院長就任

 

【資格】

日本整形外科学会専門医

日本肘関節学会評議員

日本手外科学会指導医・専門医

日本リウマチ学会専門医

日本スポーツ協会公認スポーツドクター

 

Q1.TFCC(三角繊維軟骨複合靭帯)損傷とはどんな病気ですか?

手関節の小指側が痛い場合に多い疾患です。手首の小指側(手関節尺側)に存在する軟骨と靱帯からなるクッションの役割をしている部分が、三角線維軟骨複合体(TFCC:Triangular Fibrocartilage Complex)です。スポーツや日常生活動作または交通事故などによって、手関節をひねったり、手をついて体重がかかった時に発生します。ラケットスポーツのストローク、ゴルフスイングなどの繰り返しによってもTFCC損傷は発症します。また、加齢によって損傷することもあります。

 

症状の特徴を教えてください。

TFCC損傷の症状は、手関節尺側に痛みが発生しますが、動かす時だけ痛いことがほとんどです。手首内に発生するクリック音や重症化した場合には、手をひねる初動時に「手が抜けるような感じ(slack)」を自覚することが多いです。

 

診断は?

診断は、「手関節尺側部の痛み」と「手関節労作時の不安定感」を評価して決めます。女性の場合は関節が緩いことも多く、痛みのある関節と反対側の関節とを常に比較して評価します。腱鞘炎や過去のけがによる靭帯のゆるみ、尺骨が橈骨よりも長い状況の尺骨突き上げ症候群の有無は本疾患の発生、症状の原因として確認が必要です。レントゲンで橈骨と尺骨の長さと関係を確認し、最終診断としてMRIや関節造影を行います。

 

治療の進め方は?

けがをした初期には、固定や手関節の動きを制限させるサポーターを用いて症状の改善を待ちます。時には局所麻酔剤入りのステロイド剤を注射する場合もあります。保存療法を行い、症状が3カ月近く続く場合、関節鏡を併用したTFCC修復術や尺骨突き上げ症候群が存在する場合はこの骨を短縮する手術を行います。受傷からの時間経過が長くTFCCの修復困難な場合には、靱帯再建術となります。治療方針については、TFCC損傷の手術経験のある手外科専門医に御相談することが大切です。当院では、関節鏡を用いた修復手術治療が可能です。

 

Q2.母指CM関節症とはどのような病気ですか?

母指の付け根が痛い場合に多い疾病の一つです。母指CM関節は指のつけねにある関節です。物を握る、把持する、つまむ、ねじるといった人間特有の動きに重要な関節です。この関節が軟骨の摩耗や過去のけがにより経年的な劣化を生じて、異常可動性が続くことによって変形が発生します。よくある症状は、痛みのために「ペットボトルのフタが開けにくい」「洗濯ばさみが使いにくい」「ボタンを留めにくい」「ズボンをひき上げ下げするのがやりにくい」などが多いです。しびれのように一定時間症状があるというよりも、指を使うときだけ痛い方が多いのもヒントとなります。

 

診断は?

診断は、先ほどの生活動作の不具合とともに指を軸圧に押し付けて痛みの発生の有無があるのか、異常可動性があるのかで推察します。レントゲン画像では関節自体の変形や亜脱臼、骨棘の存在など特徴的なものがあり、診断自体は比較的容易です。別の関節の痛みや腱鞘炎と間違えないように注意が必要です。

 

治療の進め方は?

治療は、まずは局所の安静、消炎鎮痛剤の内服、湿布、外用薬の使用です。特に固定装具の使用は、関節への過度の負荷を減じることで効果があります。医療機関では、これに加えて物理療法や消炎鎮痛薬の関節内注射薬での治療も可能です。治療がうまくいくと、1、2か月で改善傾向になります。しかしながら、3か月経過して改善傾向がない場合は、手術治療の方法もあります。手術の利点は疼痛が改善、消失することが多いことです。関節固定や関節形成術とともに内視鏡支援下での手術も近年盛んになっています。いずれの方法も当院で積極的に採用しております。

 

Q3.テニス肘とはなんですか?

正式には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれる疾患です。物を持ち上げたり、手を捻ったりする動作で肘の外側が痛み、手を伸ばして物が持てなくなる病気です。テニスをする人に多く発症するため「テニス肘」と呼ばれています。物を握りながら繰り返し手くびを動かす職業や趣味の人にも多く発生しています。

 

診断は?

診断は、肘外側の痛みを簡単な誘発テスト(①Thomsenテスト②Chairテスト③中指伸展テスト)で確認し、肘から前腕にかけての痛みが再現された場合に本疾患と診断します。通常のX線検査では、異常所見を認めませんが、骨に不整像や骨棘(骨のとげ)、石灰化像を認める場合は治療に難渋することもあります。近年はMRIや超音波検査を用いて、肘外側の筋肉から腱に移行する部分(共通腱といいます。)を直接確認することで損傷の有無を判定することがあります。経過が長い方は、骨に接する外側靭帯損傷や滑膜ひだと呼ばれるクッション様の組織まで損傷が拡大している場合もありますので注意が必要です。

 

治療の進め方は?

治療は、肘の外側から前腕に存在する筋肉を休めます。仕事やスポーツ活動を制限しても痛みが残る場合は、手くびをてのひら側に曲げて筋肉を伸ばすストレッチが有効となります。また、仕事やスポーツ活動時に肘外側を固定する装具を装着する。肘外側をアイシングするなども疼痛予防として良い方法です。

 

医療機関では、これに加えて物理療法や消炎鎮痛薬(経口薬、注射薬、湿布薬)での治療を行います。通常は数週間で改善傾向になりますが、2、3か月での経過で改善傾向がない場合では、手術的に傷んだ組織を処置する方法があります。当院では内視鏡での手術や小さな傷で対応可能な手術です。

 

Q4.患者さんができる予防方法は?

肘、手指の自宅できる予防法は、一般的には、過度な使用頻度を減らすことです。また、各種疾患に対してそれぞれ、「装具治療」「理学療法」があります。

 

「装具治療」では、痛い部位を動かさないようにすることで、安静時間を確保する。時には就寝時に装着することもあります。手指のしびれの代表疾患である手根管症候群の場合、この就寝時の装具療法で6から8時間の安静が得られるため症状が改善しやすいです。

 

「理学療法」では、障害されている各関節の可動域訓練や凝っている筋肉のマッサージ, ストレッチ,筋力強化を組み合わせます。ご自身で行うと加減が難しいのですが、柔軟体操を行うイメージのストレッチに準じて行います。各部位のストレッチの仕方はかかりつけ医の先生にご相談して確認、実施した方が安全です。一般的に、触って熱感がないことが多いので、冷やすよりも温めながら行う方が有効です。お風呂の湯船につかりながら実施するのもリラックス効果も得られて有効です。

 

 

医療法人社団 藤井外科胃腸科・整形外科

住所:香川県高松市田村町1277

TEL:087-867-1222

HP:https://www.tanino-tegeka-seikei.com/

 

【診療時間】

9:00~13:00、14:00~18:00

 

【休診日】

水曜午後・土曜午後・日曜・祝日休診

 

 


 

 

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