患者に寄り添い、医療サービスを提供するドクター。本特集では スポーツ整形外科についての貴重な話を語っていただきました。
ー スポーツ整形外科の知識と経験を生かした運動器リハビリテーション) ー
【Profile】
高松南整形外科スポーツクリニック 院長 中溝寛之 先生
1996年香川医科大学(現香川大学医学部)卒。信原病院・バイオメカニクス研究所、県済生会病院などを経て、2019年高松南整形外科スポーツクリニック開設。
【資格】
・医学博士
・日本整形外科学会認定専門医
・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
・日本スポーツ協会公認スポーツドクター
Q.スポーツ整形外科とはどういうものですか?
スポーツ整形外科は、スポーツによって生じた運動器の外傷や障害を中心に、各種目の特性を踏まえて専門的治療を行います。特に、早期スポーツ復帰を目的とする場合には、日常生活の動作に加えてより高いレベルが求められますので、一段上の療法を提供するのがスポーツ整形外科の役割です。
Q.スポーツ障害を発症したら、どのような処置をすべきですか?
安静にするか運動量を減らしてみてください。単に休むだけでなく、休んでいる間をどのように過ごすかが大切です。症状が軽ければセルフケアも可能ですが、痛みや違和感がなくならない場合は、整形外科を受診することをお勧めします。当院の場合はリハビリを中心に提供しています。
Q.貴院のリハビリテーションについて教えてください。
当院のリハビリテーションは、理学療法士による運動器リハビリテーションが主体です。例えば体に故障があったとしても、上手に運動ができている方はたくさんいます。悪いところがあるからすぐに手術になるわけではなくて、リハビリによって、体の傷んだ部分をうまくカバーする、あるいは動作を変えることで痛みを軽減させます。
Q.先生が考える「リハビリ」の重要性を教えてください。
当院で行うリハビリで一番大事なことは、①動く体をつくること②体をコントロールできる手段を身に付けることです。これができて初めて運動ができる、そして日常生活が送れることにつながります。
Q.けがからしっかり復帰するために注意することは。
痛いときに頑張りすぎないことです。特に学生時代のスポーツは、限られた時間しかありませんので焦る気持ちは分かります。同じけがを繰り返さないためにも、リハビリを通して使い方を変えることで故障やけがを減らすことができます。
Q.クリニックとしての注目すべき取り組みを教えてください。
当院で行う小学生から高校生を対象にした「野球肘」検診は、肘や肩に超音波(エコー)を当てて、骨や軟骨に異常が生じていないか確かめます。それに加えて、理学療法士が投球動作に問題がないかを確認し、肘や肩まわりの筋肉の鍛え方などを指導し野球が続けられる体づくりをサポートします。また保険外診療になりますが、変形性関節症、テニス肘、アキレス腱炎などの治療に有効とされる再生医療や体外衝撃波を用いた治療も提供しています。
高松南整形外科 スポーツクリニック
運動療法に注力し、治療から 競技力向上まで トータルでサポート
スポーツによる運動器の障害から、膝痛や腰痛といった慢性的な体の痛みまで幅広い診療を行う同クリニック。特にリハビリテーションが処方された患者様には、理学療法士がプログラムを作成し訓練を行う、運動器リハビリテーションを中心とする治療を実施。また、手術や精密検査が必要な場合は高次医療機関と連携し、最適と思われる医療を提供。骨粗しょう症による背骨の変形や関節の痛みなどにも対応しています。